幹事の皆さまへインタビュー
※敬称略
石川 真由
プログラム名:順天堂大学 総合診療専門医研修プログラム
所属施設:順天堂大学医学部附属順天堂医院
氏名:石川 真由
1.どんな臨床研修(または医師キャリア)を過ごしていましたか。
順天堂大学練馬病院で2年間の臨床研修を修了しました。現在順天堂大学総合診療科に入局し、総合診療専門医と家庭医のハイブリッドで専門研修を行っています。
2.専門研修の基本領域に総合診療を選択した理由を教えてください。
自分が目指していた医師像が全身を診ることができる地域の医者でした。臨床研修で様々な医療現場を目の当たりにし、他疾患併存患者さんの管理のやりがいに魅力を感じ、Disease(疾病)もIllness(病い)を診るという考え方に共感したため、総合診療科を選択しました。
3.実際に総合診療専門研修をはじめてみた感想を教えてください。
幅広い疾患はもちろん、背景も全く異なる患者さんを診ることできております。時には頭を抱えるような症例もありますが、それら一つ一つが大変勉強になっております。日々、自分の未熟さ感じながらも良い研修ができていると感じています。
4.自分の所属する総合診療専門研修プログラム”ならでは”の特長や多様性について教えてください。
大学病院から島のへき地医療まで様々な役割の総合診療医を経験できることだと思います。また、自分は家庭医療プログラムに所属しておりますが、他にも感染症、救急、スポーツ、研究など様々な分野で活躍される先生方がおり、多様性があるところが長所であると感じています。
5.総合診療の専門研修には、どのようなサポートが必要だと感じていますか。
研修の進め方が多様であり、指導医の先生方も慣れていない部分があるかもしれません。定期的な振り返りや勉強会、研修の進捗具合を確認、相談する場が必要だと感じます。
6.総合診療専門医を取得後の展望について教えてください。
学会認定の家庭医療専門医もあわせて取得した後は、地域の病院で自分が得てきたスキルを活かし、また勉強に励みながら地域に貢献していきたいと考えています。
井原 紫逸
プログラム名:千葉大学医学部附属病院 総合診療専門研修プログラム
所属施設:千葉大学医学部附属病院
氏名:井原 紫逸
1.どんな臨床研修(または医師キャリア)を過ごしていましたか。
千葉県にある東京ベイ・浦安市川医療センターで臨床研修を行った後に、母校である千葉大学医学部附属病院総合診療科へ入局しました。総合診療Ⅱの研修として最初に大学病院で1年間研修を行い、現在は総合診療Ⅰとして連携施設である、東庄病院で半年間研修を行っています。今後はさらに他の連携施設で小児科・救急科・内科の研修を行う予定です。
また、総合診療専門研修の開始と同時に大学院博士課程に進学し、専門研修と並行して論文執筆にも取り組んでいます。
2.専門研修の基本領域に総合診療を選択した理由を教えてください。
患者さんや地域、時代のニーズに合わせて、求められる医療に柔軟に対応できる総合診療医になりたいと、学生の頃から憧れていました。また、医療行政や社会疫学領域でも貢献したいという思いがあり、総合診療が公衆衛生と親和性の高い基本領域であることも、決断したきっかけとなりました。
3.実際に総合診療専門研修をはじめてみた感想を教えてください。
『楽しい』の一言に尽きます!総合診療Ⅱの研修である最初の1年は、大学病院で診断困難例が多くを占める環境で、臨床の基本となる診断学の研鑽を行いました。希少疾患からcommon diseaseの非典型例まで幅広く診療し、Bio-Phyco-Socialの多面的な視点で患者さんを診ることの難しさを実感しながら、日々楽しく研修をしていました。
その後の総合診療Ⅰでは、東庄病院という医療資源が乏しい地域での急性期~慢性期疾患の総合的な管理を経験しました。大学病院とは異なり、医療資源や社会資源が乏しい中で患者さんにとって最適な医療をどのように提供できるか、多職種で知恵を出し合いながら取り組むプロセスは大きな学びになっています。また、同病院は自治医科大学出身の先生方が勤務されており、地域医療に対する真摯な向き合い方に日々感銘を受けています。
4.自分の所属する総合診療専門研修プログラム”ならでは”の特長や多様性について教えてください。
診断学のトレーニングに関しては、この上なく恵まれた環境であると考えます。専攻医1年目の大学病院での研修では、1人の新患を1日かけて診療する体制になっています。他の医療機関から紹介となった診断困難症例のみならず、院内各診療科からのコンサルテーションを受けることもあります。どの症例においても、まず専攻医が診察を行い、その後、上級医とディスカッションをした上で再度診察を行います。このプロセスを1日かけて実施することで、非常に密度の高いトレーニングを毎日経験することができます。
また、最初の一年間は外来中心での研修となりますが、2年目以降は連携施設での研修となります。千葉県外も含め、多数の施設と連携しているため、総合病院でホスピタリストとしての病棟管理や、僻地の小規模病院での地域医療など、個人のニーズに合わせたトレーニングを経験することが可能です。
5.総合診療の専門研修には、どのようなサポートが必要だと感じていますか。
医療資源が乏しい地域にある連携施設で研修を行う際、同じ総合診療専門研修プログラムを経験している指導医や仲間が身近にいないため、孤立感を感じることがあるかもしれません。そうした環境下でも安心して学べるよう、オンラインでの相談体制や教育支援、専攻医同士の交流機会など、支援体制をより一層充実させていく必要があると感じます。
6.総合診療専門医を取得後の展望について教えてください。
具体的な進路は未定ですが、専門医取得後は臨床医としての実践を続けながら、疫学研究や医療行政などの公衆衛生領域にも携わり、社会に貢献できる活動を行っていきたいと考えています。
小川 信希

プログラム名:新潟大学医歯学総合病院群専門研修プログラム
所属施設:新潟大学医歯学総合病院
氏名:小川 信希
1.どんな臨床研修(または医師キャリア)を過ごしていましたか。
人口5万人規模、高齢化率40%の地域にある二次救急医療機関で研修を行いました。豪雪地域でもあり、自然を感じながらの研修でした。主に6つの病院・クリニックで勤務し、さまざまな医療資源で行われる医療を見ることができました。
2.専門研修の基本領域に総合診療を選択した理由を教えてください。
地域で働く中で総合診療科を知りました。もともと小児科を考えていましたが、同じジェネラリストでも臓器や老若男女、診療の場に縛られずに医療を行う考え方が面白いと思い選択しました。
3.実際に総合診療専門研修をはじめてみた感想を教えてください。
専門研修の初年度は、始めに大学病院で救急科を3か月研修し、現在は三次医療機関で総合診療Ⅱを研修しています。二次医療機関で初期研修を行なった身としては高度医療機関における疾患の重症度や患者層の違いに困惑しています。しかしこういった医療に触れる事でいつか自分の幅を広げてくれると信じ、研修しています。
4.自分の所属する総合診療専門研修プログラム”ならでは”の特長や多様性について教えてください。
私の場合は、4年間で構成されるプログラムです。カリキュラムの選択パターンにより新家庭医療専門医を取得できるコースや、専攻医の段階から医学生や臨床研修医の教育により多く携わることができるコースがあります。また、連携施設が多いこと、プログラムの組み立ても専攻医自身が行うことができることも特長です。
5.総合診療の専門研修には、どのようなサポートが必要だと感じていますか。
気軽に相談できる場、上級医が必要だと感じます。同期がいればなお良いと思います。
6.総合診療専門医を取得後の展望について教えてください。
国内留学がしたいです。他県の総合診療をみて、新潟県の良いところと改善すべきところを見つめ直し、私でもできる範囲で最大限の地域貢献ができたらと思います。
工藤 千佳
プログラム名:十和田市立中央病院総合診療専門研修プログラム
所属施設:十和田市立中央病院
氏名:工藤 千佳
1.どんな臨床研修(または医師キャリア)を過ごしていましたか。
専攻医1年目は基幹病院で総合診療科に所属しながら内科研修を行いました。同期4人や先輩方と意見交換し、上級医だけでなく他科の先生方にもご指導いただきながら病棟業務や初診外来を中心に学びました。2年目の現在は連携施設の三次医療機関で救急研修しています。
2.専門研修の基本領域に総合診療を選択した理由を教えてください。
医学科を志した当初より患者さんやご家族の生活背景を含め支援できる医師になりたいと考えており、総合診療医が最も近い医師像と感じたためです。
3.実際に総合診療専門研修をはじめてみた感想を教えてください。
総合診療専門研修では、さまざまな訴え・背景を持つ患者さんに遭遇することが多く、診断や治療だけでなく、時には多職種で社会的背景まで介入したり療養環境の調整まで行ったりする難しさとやりがいを実感しています。
4.自分の所属する総合診療専門研修プログラム”ならでは”の特長や多様性について教えてください。
自分が所属する専門研修プログラムは、青森県の上十三地域の急性期医療を担う病院として多様な症例を経験できる点が特長です。入退院から外来、時には在宅まで主治医として患者さんに関わることができます。地域医療の実情に合わせた柔軟な対応力や、幅広い臨床能力が身につくプログラムだと感じます。
5.総合診療の専門研修には、どのようなサポートが必要だと感じていますか。
幅広い疾患を様々なセッティングで診療するため、定期的なフィードバックなどの教育体制が不可欠です。専門医取得後のキャリアパス支援、ワークライフバランスへの配慮なども重要なサポートだと感じています。
6.総合診療専門医を取得後の展望について教えてください。
学会認定の家庭医療専門医や病院総合診療専門医の専門取得を検討しています。将来的には地域の住民が安心してその地域で暮らし続けるために医療の側面から支えられるよう活動したいと考えています。
田付 亮太
プログラム名:いわてイーハトーヴ総合診療研修プログラム
所属施設:西和賀町立さわうち病院
氏名:田付 亮太
1.どんな臨床研修(または医師キャリア)を過ごしていましたか。
臨床臨床研修は岩手県立中部病院で過ごしました。内科・小児科・救急科研修を岩手県立久慈病院で終え、総合診療Ⅱとして岩手県立中部病院の総合診療科で1年、現在は岩手県西和賀町にある、さわうち病院で総合診療Ⅰの研修を行っています。
2.専門研修の基本領域に総合診療を選択した理由を教えてください。
これといった単一の診療科よりも、疾患に限らずその人を一括りに診れる診療科に魅力を感じました。
3.実際に総合診療専門研修をはじめてみた感想を教えてください。
どの診療科にも共通するところとは思いますが、できることとわからない・できないことがどんどん増えていきます。患者さんの抱える問題は、生物医学的な問題に限らず、本人の生活や趣味嗜好、人生観のほかにも家族関係や社会的な役割がかかわることもあります。医療が携わるのは疾病だけではなくその人全体であると実感する機会が多いのではないでしょうか。
4.自分の所属する総合診療専門研修プログラム”ならでは”の特長や多様性について教えてください。
大学病院や県外施設での研修も可能であり、地元のかかりつけ~基幹病院にとどまらない多様な診療機会を得られることだと思います。また総合診療医の数が少ない反面、相手の顔が見えやすく、医師間の相談やコミュニケーションがとりやすいと思います。
5.総合診療の専門研修には、どのようなサポートが必要だと感じていますか。
日~週単位で診療のフィードバックが必要と思います。
6.総合診療専門医を取得後の展望について教えてください。
地域医療への貢献とともに、県内外の総合診療科での研修により自身のスキル向上と地域の総合診療科の地力向上を目指したいです。
古田 京

プログラム名:暮らしに向き合うやまと総合診療
所属施設:やまと診療所
氏名:古田 京
1.どんな臨床研修(または医師キャリア)を過ごしていましたか。
臨床研修は済生会宇都宮病院で行いました。急性期病院での幅広い症例を経験し、ある癌患者さんとの関わりを通じて「治すだけでなく、支える医療」の重要性を実感しました。その後、「おうちにかえろう。病院」や「頴田病院」といった地域密着型中小病院での研修を中心に、やまと診療所では在宅医療を学び、飯塚病院では急性期の総合診療を学びました。さらに、都立広尾病院の救急科・小児科での研修では都市部の医療を経験し、地域から都市まで多様な医療現場で研鑽を重ねてきました。
2.専門研修の基本領域に総合診療を選択した理由を教えてください。
きっかけは「真のかかりつけ医療をやりたい」という思いでした。患者さんの疾患だけでなく、患者さんの人生の中でその疾患が意味することを察し、その患者さんに必要な医療を追求したいと感じたのです。総合診療やその背景にある家庭医療学の考え方は、自分の価値観が合っていると気づき、総合診療という道を選びました。
3.実際に総合診療専門研修をはじめてみた感想を教えてください。
率直に言って、とても楽しく、充実しています。板橋、飯塚、広尾とどの現場にもそれぞれの「人の物語」があることを実感します。自ら希望した研修先で、自分の関心に沿った経験を積めていることも大きな魅力です。多様な場面で学ぶことで、医療の本質に一歩ずつ近づいている実感があります。
4.自分の所属する総合診療専門研修プログラム”ならでは”の特長や多様性について教えてください。
所属プログラムの最大の特長は、地域包括ケアと在宅医療を中心に据えている点です。病院・在宅などの異なる環境で、同じ患者さんを継続的に診る経験ができます。
5.総合診療の専門研修には、どのようなサポートが必要だと感じていますか。
総合診療の研修はセッティングが頻繁に変わるため、学びを継続的に支える体制が特に重要だと感じます。医学的な振り返りを含めた定期的なフィードバックや、一般的な臨床指導の質を高めることが欠かせません。多様な現場を行き来する中で、自分の学びを整理し、次のステップにつなげるための指導体制がより一層求められていると感じます。
6.総合診療専門医を取得後の展望について教えてください。
今後は、総合診療医としての臨床力を土台に、中小病院の経営に携わりたいと考えています。地域包括ケアと在宅医療を軸にこれからの日本や世界の医療に必要な病院モデルをつくるのが目標です。
山本 幸近

プログラム名:飯塚・頴田総合診療専門研修プログラム
所属施設:飯塚病院/頴田病院
氏名:山本 幸近
1.どんな臨床研修(または医師キャリア)を過ごしていましたか。
私は大学病院で2年間の臨床研修を行い、その後は大学病院に籍を置きながら社会人大学院生として研究にも取り組みました。現在は総合診療専門研修プログラムに所属し、臨床に加えて研究や教育にも関心を広げています。医師3年目でアカデミックなキャリアを志したことにより、臨床だけにとどまらず幅広い視点で医師としての成長を意識できるようになりました。
2.専門研修の基本領域に総合診療を選択した理由を教えてください。
学生時代から臨床実習で各診療科を回るたびに興味を抱く性格で、臨床研修のときも進路選択に悩みました。しかし総合診療科での研修を通じて、臓器横断的な視点、患者や家族の生活背景、さらには地域や文化背景までを含めて診る姿勢に強く惹かれました。診療の幅広さだけでなく、人や社会に寄り添う姿勢に自分の価値観が合致すると感じ、私は専門研修の基本領域に総合診療を選びました。
3.実際に総合診療専門研修を始めてみた感想を教えてください。
実際に研修を開始してからは「本当に自分の選択は正しかったのか」と迷う場面もありました。しかし、自宅で最期を迎えたい患者・家族を支える医療や、復職を目指す患者のリハビリ支援など、幅広い場面で関わる中で、総合診療を選んで良かったと実感する機会は多くありました。病棟に加えて在宅や外来でも診療経験を重ね、近接性・継続性といった総合診療ならでは関わり方を日々体感しながら、自らの成長を感じています。
4.自分の所属する総合診療専門研修プログラム”ならでは”の特長や多様性について教えてください。
私の所属する飯塚・頴田総合診療専門研修プログラムには大きく2つの特長があります。
1つ目は「ハーフデイバック・ワンデイバック」です。飯塚病院での研修期間中も、週1回は頴田病院で外来・訪問診療を継続できる仕組みです。これにより専攻医1年目から関わってきた患者さんを3年目の今も診続けており、総合診療の核心の1つである「継続性」を深く学べています。
2つ目は「シームレスな医療の提供」です。急性期の飯塚病院と、回復期や在宅に強みを持つ頴田病院の両方に関わることで、患者さんの病態変化に応じた相互紹介や、転帰を継続的に見届ける経験ができます。両病院の医療者と顔の見える関係を築きながら、ケアの連続性を体現できていることは、総合診療医としての成長に直結しています。
5.総合診療の専門研修には、どのようなサポートが必要だと感じていますか。
総合診療の専門研修は、病院、診療所、教育、研究など多様なキャリアにつながる可能性を持っています。しかし、先駆者が少ないキャリアパスを選ぶ場合には迷いや不安が生じ、モチベーションが揺らぐこともあります。そのため、専攻医が「この研修で得る経験が将来のどのようなキャリアにつながるのか」を具体的に描けるような支援が重要だと考えます。キャリア形成を見据えた伴走や助言があることで、研修の意義を実感しながら、総合診療医として確かな成長を遂げることができるかと考えます。
6.総合診療専門医を取得後の展望について教えてください。
総合診療専門医を取得後は、病院総合診療専門医を目指して研修を継続します。将来的には、地域に根ざした診療を実践しつつ、急性期から慢性期・在宅までをシームレスにつなぐ役割を担いたいと考えています。さらに教育や研究に取り組み、総合診療の価値を探求・発信することで、地域と病院を架橋するキャリアを築いていくことを目指しています。
- 第5期専攻医会 幹事インタビュー
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※敬称略
宇津野 瞳
プログラム名:板橋中央総合病院 総合診療科プログラム
所属施設:板橋中央総合病院
氏名:宇津野 瞳
1.どんな臨床研修(または医師キャリア)を過ごしていましたか。
総合診療科のプログラムに従って、内科、救急、小児、地域など幅広く経験しました。また、総合診療科の自由選択期間を利用して、新規に提携を結んで頂き、希望していた九州大学心療内科での研修もさせて頂きました。
2.専門研修の基本領域に総合診療を選択した理由を教えてください。
私は学生時代から精神科を志望していましたが、初期研修終了時点で、もう少し内科的スキルを勉強したかったことや、地域、在宅など幅広いセッティングでの医療を経験したかったため、総合診療科を選択しました。総合診療科の研修を終えた後に精神科に進む予定です。
3.実際に総合診療専門研修をはじめてみた感想を教えてください。
上記理由で総合診療科をまずは専門としましたが、選択してよかったと心から感じています。目的であった内科スキルの向上はもちろん、総合診療科の強みであるナラティブな視点を得られたことは必ず今後の診療に生きると考えています。
4.自分の所属する総合診療専門研修プログラム”ならでは”の特長や多様性について教えてください。
自分の所属する専門研修プログラムでは、整形外科から転科した先輩や、公衆衛生に進む後輩、同じく精神科研修を見据えて総合診療科を最初の専攻に選んだ後輩など、様々なバックグラウンドや目的をもった専攻医が集っており、多様性を受け入れる文化のあるプログラムである点が特徴的だと思います。画一的に家庭医や病院総合診療医を目指すのではなく、そうした個人のニーズに合わせて柔軟に研修を考慮してくれる点が非常に魅力的に感じました。
5.総合診療の専門研修には、どのようなサポートが必要だと感じていますか。
まだ制度上十分整備されていない部分もあり、専門医取得にあたって提出すべき課題や事務的な手続きの面で不安を感じることが多かったです。そうした部分のサポートがあるとより安心して研修ができたと思います。
6.総合診療専門医を取得後の展望について教えてください。
総合診療科で学んだことを生かして、ジェネラルマインドを持った精神科領域のスペシャリストになりたいと考えています。
小原 俊介
プログラム名:順天堂大学 総合診療専門医研修プログラム
所属施設:順天堂大学医学部附属順天堂医院
氏名:小原 俊介
1.どんな臨床研修(または医師キャリア)を過ごしていましたか。
私は順天堂大学医学部附属練馬病院で臨床研修を行い、その後は順天堂大学の総合診療専門医研修プログラムに参加させていただきました。
専門医研修1年目は3か月ずつ総合診療科、高齢者総合診療科、小児科、救急科をそれぞれ別の病院で回らせていただきました。2年目となる現在は、地域研修として1年間、伊豆諸島にある新島の診療所で勤務、研修を行っています。
2.専門研修の基本領域に総合診療を選択した理由を教えてください。
私は東京都地域枠の制度を利用して大学に入学しており、いわゆるへき地医療への従事義務があります。そのため地域研修を含む総合診療専門研修との親和性が高かったことが理由の一つです。 また、純粋に各科の知識を合わせれば「総合診療」になるわけではないのだろうと研修医の頃にうっすらと感じたこともあり、総合診療科としての考え方や、視点を身につけたいと考え基本領域に総合診療を選択いたしました。
3.実際に総合診療専門研修をはじめてみた感想を教えてください。
個人的にはやはり小児科、救急科、地域研修が必修として含まれていることに大きな意義を感じます。プライマリ・ケアの現場で知識や技術が役立つのはもちろん、小児から成人、急性期から慢性期、在宅・診療所から大病院など、幅広い視野を持つための軸を自然に意識することができました。また総合診療の奥深さや醍醐味が少しずつ垣間見えてきており、まだまだ修行が必要だと痛感する毎日です。
4.自分の所属する総合診療専門研修プログラム”ならでは”の特長や多様性について教えてください。
大学病院の強みとしては多くの連携施設があり、選択肢が非常に多い点が挙げられると思います。例えば私の場合は島嶼地域での勤務を見据え、小児科、救急科の研修はよりコモンな症例を多く経験できる市中病院や附属病院で行いました。また高齢者医療を専門にした病院での研修も地域研修前にできるようプログラムを組んでいただきました。
地域研修についても島嶼地域を含む複数の病院や診療所と提携しています。地域特性や医療機関としての規模、役割がそれぞれ異なる研修先の中から研修の場を相談することができます。
加えて、大学としての教育、研究といった学術的な学びへのアクセスを常に持つことができる点も特徴だと感じています。バリエーションに富んだ研修先にいながらも、様々な専門分野や経歴を持った先生方と関わらせていただくことで、自身のキャリア形成についても考える機会に恵まれています。
5.総合診療の専門研修には、どのようなサポートが必要だと感じていますか。
他科で研修をさせていただく際、当該科の専門研修ではなく、総合診療科の専門研修としての達成目標を研修先の先生方とより共有できるような仕組みが研修手帳以外にもあるとさらにありがたいと感じました。
6.総合診療専門医を取得後の展望について教えてください。
義務年限の間はへき地医療に従事しながら、専門研修で得た学びを医療の実践を通じて地域に還元していきたいと思っています。義務年限終了後についてはその時の関心やライフステージに応じて考えるつもりですが、柔軟なキャリア展開の下地を作ることができるのも総合診療専門研修の強みなのではないかと感じています。
工藤 銀河

プログラム名:岩手県立中部病院総合診療専門研修プログラム
所属施設:岩手県立中部病院
氏名:工藤 銀河
1.どんな臨床研修(または医師キャリア)を過ごしていましたか。
2019年に医学部卒業後、岩手県北部にある市中病院で臨床研修を行いました。3年目から県立中部病院のプログラムに入り、2023年度で総合診療専門研修修了予定です。専門研修中は、基幹施設である県立中部病院のほか、総合診療Ⅰとして県立東和病院という地域密着型病院でも研修を行いました。同期や先輩もほとんどいない岩手県という環境のなかでも、Zoomなどを活用しながら振り返りをしていただき、研修を進めることができました。
2.専門研修の基本領域に総合診療を選択した理由を教えてください。
私はもともと、自分は内科系のどこかに進もうと大まかには考えていました。臨床研修を進める中で、医療資源の少ない地方で必要とされているのは臓器別の専門にとらわれず広く診られる医師だと感じる場面が多くありました。どんな患者でも責任をもって自分で診る、またそれぞれの地域・施設に応じて多様な診療内容に柔軟に対応出来る医師になりたいと考え、総合診療を選択しました。
3.実際に総合診療専門研修をはじめてみた感想を教えてください。
研修開始当初は、岩手県内で総合診療専攻医という存在があまり浸透していなかったこともあり、他科からの信頼を獲得するのに苦労を感じたこともあります。ただ、どんな患者でも対応し、他科ともしっかり連携をとる真摯な診療態度を示していくことで、徐々に信頼を得られるようになった感覚がありました。専門研修2年目以降で地域密着型病院に出た際には、なんでも診るという総合診療マインドを持っていることが、非常に重宝されるということを改めて実感でき、やりがいにつながっています。
4.自分の所属する総合診療専門研修プログラム”ならでは”の特長や多様性について教えてください。
私は岩手県立中部病院の総合診療プログラムであり、基本的に岩手県の中部圏域という二次医療圏での研修でした。しかしその後岩手県ではいわてイーハトーブ総合診療専門研修プログラムという県全体の統一プログラムが立ち上がっています。これにより、岩手県内全域の医療機関が研修先として選択できるようになり、研修の幅が非常に広がったと感じます。自然豊かな環境で患者さんも温かい人が多く、各施設の指導医からも県内の大切な専攻医をしっかり育てていこうという熱意を感じます。穏やかな環境で心理的に安心感を感じながら診療に集中できるプログラムだと思います。
5.総合診療の専門研修には、どのようなサポートが必要だと感じていますか。
定期的に振り返りを行ってもらえる指導医の存在、そして振り返りを診療業務から離れた時間として確保してもらえるような各診療科の理解・協力が必要だと思います。プログラムによっては周囲にロールモデルとなるような先輩や指導医が少ないことも多いと思うので、遠隔でも振り返りや勉強会への参加がしやすくなるように、つながり作りのサポートも必要になると考えます。
6.総合診療専門医を取得後の展望について教えてください。
今後数年間は、地域枠の義務履行のため、地域病院での勤務が続きます。将来的には、在宅医療専門医を取得し、在宅医療を中心として働きたいと考えています。現在は岩手県内で在宅医療専門研修のプログラムがないため、いずれは岩手県にいても在宅専門医を取得しやすい環境を整えるのが夢です。
小薗 佐和子

プログラム名:防衛医大・全自・所沢連携 総合診療専門研修プログラム
所属施設:防衛医科大学校病院
氏名:小薗 佐和子
1.どんな臨床研修(または医師キャリア)を過ごしていましたか。
自衛隊中央病院・防衛医科大学校病院での2年間の臨床研修を終えた後、医師3、4年目は陸上自衛隊の駐屯地で医務室の医官として勤務していました。
医師5年目からは防衛医科大学校病院で勤務しています。
2.専門研修の基本領域に総合診療を選択した理由を教えてください。
私は元々医師を目指そうと思った時の自分のなりたい医師像が「地域に根ざしたかかりつけのお医者さん」であったため、総合診療が一番しっくりきたからです。
3.実際に総合診療専門研修をはじめてみた感想を教えてください。
小児科や救急、在宅医療など、様々な分野を学ぶことができ、充実しています。
4.自分の所属する総合診療専門研修プログラム”ならでは”の特長や多様性について教えてください。
防衛医大プログラムなので、プログラム所属の防衛医大卒の医師に限られます。
医師3、4年目での配属先(病院、医務室など)が様々です。5年目からは防衛医科大学校病院を中心とした、所沢市周辺の病院・クリニックなどでの研修を行っています。
5.総合診療の専門研修には、どのようなサポートが必要だと感じていますか。
総合診療医は病院で病棟医として働いたり、家庭医として働いたり、キャリアパスが多岐に渡ります。そのため、個々がどういうキャリアパスを歩みたいか、それによって研修内容を柔軟に対応できるようなサポートがあれば良いと思います。
6.総合診療専門医を取得後の展望について教えてください。
まずは自衛隊の医官として自衛隊員の日々の健康管理・診療を行いたいと考えています。
林 亮佑
プログラム名:亀田家庭医総合診療専門医プログラム
所属施設:安房地域医療センター
氏名:林 亮佑
1.どんな臨床研修(または医師キャリア)を過ごしていましたか。
地域医療をする上で救急のスキルも大事であろうということから、当初は専門研修で救急科に進むことも考えていました。救急診療を強みとする病院で臨床研修を行い、研修の中で基本領域の進路を決めようと考えました。臨床研修では多くの経験をさせてもらい、どんな患者さんでも主体的に診ようと思う姿勢が身についたと思います。
2.専門研修の基本領域に総合診療を選択した理由を教えてください。
私が生まれ育った千葉県の南房総地域では人口減少、高齢化が顕著でした。そうした地域で暮らす人の役に立つためには、総合診療のスキルが不可欠だと考え、この領域に進みました。上述した救急のスキルに関しては、総合診療研修の中で意識的に取り組むことで補おうと考えました。
3.実際に総合診療専門研修をはじめてみた感想を教えてください。
包括的統合アプローチをはじめとする総合診療の専門性の獲得のためには、多くの経験と省察を必要とし、一朝一夕で身につくものではないと実感しています。専門研修で修得する土台を基に、長期的な視点で自分の診療の幅を広げ、質を向上させることが大事だと思いました。
4.自分の所属する総合診療専門研修プログラム”ならでは”の特長や多様性について教えてください。
私が所属するプログラムは基本的に、千葉県の南房総という1つの地域で完結するため、全研修期間に渡って同じ場所で外来を持ち続けることができます。継続性を持って患者さんを担当できる点が特長だと思います。
5.総合診療の専門研修には、どのようなサポートが必要だと感じていますか。
ローテート研修を行う先の領域別専門医が総合診療医の役割について理解してくださっていると研修の質が向上すると思います。総合診療医として必要な知識やスキルの目標を各領域において示すことや、領域別専門医や社会全体の総合診療への理解を進めることそのものが研修のサポートになると思います。
6.総合診療専門医を取得後の展望について教えてください。
現時点では地域包括ケアシステムの要となるような中規模病院で”病院家庭医”として働くことをイメージしています。そのために総合診療のスキルをより高めると同時に、マネジメントの手法などについても学んでいきたいです。
稗田 史子

プログラム名:滋賀家庭医療学センター
所属施設:弓削メディカルクリニック
氏名:稗田 史子
1.どんな臨床研修(または医師キャリア)を過ごしていましたか。
済生会千里病院で2年間の臨床研修を終えた後、主人の転勤の都合や家庭などの諸事情があり各地で内科医として外来・病棟・救急外来などで常勤・非常勤で勤務していました。
2.専門研修の基本領域に総合診療を選択した理由を教えてください。
私が臨床研修医の頃は総合診療という専門研修はありませんでした。
今までのキャリアを、総合診療専攻医コースに乗ることにより系統立てて今一度整理し、学びを得たいと考えたためです。
3.実際に総合診療専門研修をはじめてみた感想を教えてください。
常に学びの意欲があり、知識のアップデートを絶やさない環境で働かせて頂いており、良い刺激があります。老若男女、全ての患者を最後まで決して見離さない、そんな科であると感じています。ただ、診療のセッティングによって、総合診療医の”総合診療力”が発揮しきれない(専門科にプライマリの段階で細分化されてしまう)歯痒さを感じることもあります。
4.自分の所属する総合診療専門研修プログラム”ならでは”の特長や多様性について教えてください。
他科転向の先生や、背景や年次が様々な先生が一緒に働いており、多様性に富んでいる点です。
5.総合診療の専門研修には、どのようなサポートが必要だと感じていますか。
診療セッティングによってですが、専門研修の研修手帳(J-GOAL)に馴染みが薄い指導医もいらっしゃいます。そういった点で指導医側にもある程度マニュアル化した説明があると良いかもしれません。
6.総合診療専門医を取得後の展望について教えてください。
病棟・外来・救急セッティングなど、様々な場面で働きたいです。救急科専門医取得も少し検討していますが、家庭の事情もあるため難しさも感じています。超音波専門医(日本超音波医学会)を取得する予定です。様々な場面で超音波検査は有用なため、系統だった技術を取得しプライマリ・ケアの診療セッティングで活用したいと思います。
山並 寛明
プログラム名:福島県立医科大学総合診療専門研修プログラム
所属施設:福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座(令和6年1月現在:只見町国民健康保険朝日診療所に勤務)
氏名:山並 寛明
1.どんな臨床研修(または医師キャリア)を過ごしていましたか。
2016年4月から、宮城県内で2年間の医師臨床研修を行い、その後同県で内科専門研修を行っています。2021年4月から、現在のプログラムで総合診療専門研修を開始しています。
2.専門研修の基本領域に総合診療を選択した理由を教えてください。
私は臨床研修修了時点で、幅広く疾患を診る科の方が自分の能力に適していると感じており総合診療に興味を持っていました。ただ、当時は新専門医制度の初年度であり、周囲に情報が少ない状況でした。そのため、内科での専門研修で研鑽を積んでいましたが、その中でも、自分の学びたいことに近い「家庭医」という像を提供するプログラムに出会い、キャリアチェンジを行いました。
3.実際に総合診療専門研修を始めてみた感想を教えてください。
日頃から振り返りや理論的な所を含めて学んでおり、医療の見方が広く深くなったと感じています。
4.自分の所属する総合診療専門研修プログラム”ならでは”の特長や多様性について教えてください。
家庭医療が充実したプログラムで、経験豊富な指導医に恵まれていることに加え、オンライン等も活用した勉強会など、学修の機会に恵まれています。ロールプレイ学修やビデオレビューを研修に取り入れているのも魅力です。自分自身興味を持っている地域医療について指導医の下で学べる連携施設もあります。
5.総合診療の専門研修には、どのようなサポートが必要だと感じていますか。
悩みを話して自分を振り返れる場と、悩みの解決につながる情報源の手がかりが必要だと思います。
6.総合診療専門医を取得後の展望について教えてください。
地元に帰って総合医を増やす教育側に回る、地域医療を専門に学び地域に貢献することです。